
最新データでは、高齢者無職世帯が1カ月に必要な生活費は約28万円と試算されています。一方、夫婦2人の一般的な年金月額は、厚生年金の場合でも約22万円ですから、普通の生活を送るだけで収支はマイナスになってしまいます。セカンドライフは旅行や趣味を楽しみたい、十分な医療や介護サービスが受けたいと考えるなら、さらに13万円程度が必要に。利子等非課税の特典がある「年金財形」を上手に活用して、余裕ある老後資金を準備しておきたいものです。
食費 | 6万2432円 |
住居費 | 1万7500円 |
水道光熱費 | 2万0385円 |
家具・家事用品 | 8641円 |
被服および履物 | 6975円 |
保健医療費 | 1万5405円 |
交通・通信費 | 2万7286円 |
教育・教養娯楽費 | 2万6070円 |
こづかい(使途不明) | 8439円 |
交際費 | 3万0484円 |
直接税・社会保険料など | 3万1842円 |
その他の支出 | 2万0247円 |
平成28年に発表された日本人の平均寿命は、男性80.79歳、女性87.05歳。
65歳からの老後平均期間は、男性15年、女性22年ということになります。上記のとおり、夫婦2人の老後の最低限の生活費は月額28万円ですが、長いセカンドライフを充実させるために必要なゆとりある老後生活費は月額36万円といわれています。
仮に、夫婦2人の老後生活が20年間続くと考えると、老後資金はベーシックなレベルで約6700万円、よりゆとりある生活では約8600万円が必要な計算となります。
収入の基礎となる年金は、夫婦2人の厚生年金加入者(妻は専業主婦の場合)で月額22万2000円。65歳から80歳までの15年間支給されると考えて支給総額は4000万円。ベーシックな生活をどこに置くかにもよりますが、最低の生活費として多少の貯蓄があると安心でしょう。
退職金が期待できる場合、勤続35年以上の大卒総合職で約2200万円、高卒総合職は約2000万円、高卒現業職では約1500万円がこれにプラスされます。さらにゆとりある生活を送るためには、2000万円以上あると安心。
充実したセカンドライフを実現するためにも、リタイアまでに2000万円を目標に、老後資金を準備しておきたいものです。

2つのモデルケースを見て分かるように、大きな資金を用意するには、時間を味方につけて早い時期から積み立てたほうが、月々の負担が少なくて済みます。2000万円という目標は、子どもたちが独立して教育費がかからないこと、住宅ローンが完済されていることなどが前提となっています。
リタイア後に出ていくお金をもう一度整理し、現役時代にどんな準備をしておくべきか、今のうちに見直しをしておいた方が良いでしょう。